通所介護のADL維持等加算とは|対象・要件と記録のポイント

ADL維持等加算は、利用者のADL(日常生活動作)の維持・改善という「成果(アウトカム)」を評価する加算です。ここでは、加算の趣旨と、記録・書類作成の観点から押さえておきたいポイントを整理します。

ADL維持等加算とは

ADL維持等加算は、事業所全体の利用者のADLの維持・改善という成果(アウトカム)を評価する加算です。Barthel Index(バーセルインデックス)などの指標で測定したADLの変化(利得)が一定の基準を満たすことが算定要件の中心にあり、ADLを継続的に評価する体制やLIFE(科学的介護情報システム)への情報提出は、その前提となる要件という位置づけです。「評価さえしていれば算定できる」ものではなく、成果が基準を満たしているかどうかが問われる加算である点を押さえておくと、書類・記録の作成方針を立てやすくなります。

対象となる事業所・利用者の考え方

ADL維持等加算は、一定の体制要件に加え、事業所単位でのADL利得(Barthel Indexで測定した変化)が基準を満たすことなど、成果に関わる要件を満たした事業所が算定できる加算です。対象となる利用者の範囲や、評価データの提出に関する要件も定められています。要件の詳細・具体的な基準値・区分(利用者数の割合、ADL利得の基準、評価の実施時期など)は制度改定により変わり得るため、本記事では立ち入らず、最新の介護報酬告示および保険者の案内をご確認ください。

ADL評価の考え方

ADL維持等加算では、Barthel Index(バーセルインデックス)などの指標を用いて、利用者のADLを一定の間隔で評価し、その結果を記録・活用することが前提になります。評価は、決められた項目・基準に沿って行うもので、評価者・評価日・評価結果を明確に記録に残しておくことが重要です。

評価の具体的な点数基準や算定方法(要件の計算式)は制度上の細目にあたるため、本記事では扱いません。事業所内での評価手順は、最新の様式・研修資料に沿って統一しておくことをおすすめします。

記録に残しておきたい項目

  • 評価日・評価者(誰が、いつ評価したか)。
  • 使用した評価指標と、評価結果(点数・区分など、様式に沿った記録)。
  • 前回評価との比較・変化の傾向(悪化・維持・改善のいずれであっても、事実として記録する)。
  • 評価結果を通所介護計画・個別機能訓練計画にどう反映したか。
  • 科学的介護情報システム(LIFE)等、所定のシステムへ情報を提出した場合は、提出日・提出内容の記録。

記録例(評価結果の記載)

2026年7月、Barthel Indexによる評価を実施(評価者:機能訓練指導員)。前回評価と比較し、移乗・歩行の項目に変化が見られたため、個別機能訓練計画の目標・プログラム内容を見直し、通所介護計画にも反映した。評価結果はLIFEへ提出済み。

算定までの大まかな流れ

  1. ① 体制の整備:加算算定に必要な体制・要件を満たしているかを確認する。
  2. ② ADL評価の実施:所定の指標・間隔で利用者のADLを評価する。
  3. ③ 記録・情報提出:評価結果を記録し、必要に応じてLIFE等の所定システムへ提出する。
  4. ④ 成果(ADL利得)の確認:事業所単位でのADLの変化が、定められた基準を満たしているかを確認する。
  5. ⑤ 計画への反映:評価結果を通所介護計画・個別機能訓練計画に反映し、PDCAサイクルとして運用する。

よくある誤解

  • 「加算を算定すれば機能が改善する」という誤解:加算は事業所単位・調整後の実績で判定される成果評価であり、個々の利用者の機能改善そのものを保証するものではありません。
  • 「評価さえしていれば算定できる」という誤解:ADLを継続評価する体制・記録・LIFEへの情報提出に加え、事業所単位でのADL利得(Barthel Indexで測定した変化)が定められた基準を満たしていることが算定要件の中心です。体制面だけを整えても、成果の基準を満たさなければ算定できません。
  • 「一度算定したら要件確認は不要」という誤解:制度改定により要件・基準値・様式が変わることがあるため、継続して最新情報を確認する必要があります。

よくある質問

ADL維持等加算は、すべての利用者について評価が必要ですか?

対象となる利用者の範囲は制度上の要件によります。詳細は最新の告示および保険者の案内をご確認ください。

Barthel Index以外の指標を使ってもよいですか?

評価に用いる指標や実施方法は制度上定められた枠組みに従う必要があります。具体的な指標・実施方法は最新の基準をご確認ください。

この加算を算定すれば、利用者のADLが必ず改善しますか?

いいえ。判定は事業所単位・一定期間の利用者集団を対象にした調整後の実績(ADL利得)で行われるものであり、個々の利用者の機能改善を保証するものではありません。

LIFEへの情報提出は、この加算でも必要ですか?

加算の種類・区分によって、LIFE等の所定システムへの情報提出が要件に含まれる場合があります。最新の要件は厚生労働省の告示および保険者にご確認ください。

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